未来予測。アルビン・トフラーから、Google(グーグル)といった未来をリードするインテリジェンスを紹介。様々な角度から見る未来の形はどのようになるのか?

更新日:2020年04月06日

未来学ってしってますか?

「未来学」というのは、将来を予測しどのように社会やテクノロジーが変化していくかを研究している学問になります。未来研究を行っている人は「フューチャリスト」と呼ばれ、確率論やテクノロジーなど社会学的なアプローチを行ったり、サイエンスフィクション作家であったりという様々なタイプの方がいます。有名な未来学者としてはアルビン・トフラー、レイ・カーツワイなどがいます。手法を中心に、新しい学問である「未来学」を考えていければと思います。

【未来学の手法】
■システムズシンキング法
「システムシンキング法」は、様々な要素を考慮して全体的に考える思考です。自然環境であれば、水や大気、それに合わせて植物がいて、動物がいる食物連鎖のような生態系というエコシステムがあります。このような全体を見ることを「システムシンキング法」と言います。例えば、心肺であったり、社会集団であったりひとつのグループもシステムと考えられます。複雑な社会システムを解決するために、「システム」「情報」「制御」といった概念のツールを組み合わせて施工していくことが、システムシンキングと言えます。このような全体の連続した思考を活用して未来を予測することが、未来学の手法における「システムシンキング法」と言えます。

■デルファイ法
意見集約の手法として用いられてきたのが「デルファイ法」です。これは、ある予想したいテーマに対して多数の専門家の意見をまとめ、その回答を統計的に集約します。その結果を添えて、専門家たちにもう一度再検討してもらうということを複数回繰り返し、意見をまとめていく方法です。未来学で利用する場合は、その定性調査として活用することができます。よく大きな声を出した人の意見が通るブレーンストーミングがありますが、そうではなく「デルファイ法」を利用すると、他者の意見を再検討するため、客観的に考えの偏りなく最終的に統一された意見にまとまると考えられます。

■バックキャスティング法
未来を予測するにあたって、目標となる状態を設定し、その目標に対して現在からどのような方法を組み立てていけば良いかを考える手法になります。既存のやり方では解決策が見つからないようなものに対して利用する手法と言えます。現在の状態から未来を延長線上として考えるのは「フォアキャスティング法」と言いますが、現在の延長線上で未来が来るとは限らず、また未来は不確実なため、「バックキャスティング法」という理想的な絵を先に描き、そこから逆算していく方法が考えられます。予測とは逆のように見えますが、達成すべき目標のために考えられる変数を埋めていくわけです。既に分かっている変数は埋め込み、分からない未知の部分の値を予測することになります。既知の変数を説明するために未知の変数の予測をするやり方になります。

■モデリング/シミュレーション法
モデリングというのは、事象を単純化したモデルとして模倣します。実際に起こっている事象を「定量的」または「定性的」に分析し、エッセンスを抽出します。そのエッセンスに法則性、理論性を見つけ出します。そして実際に、その導き出したエッセンスが分析している事象に当てはまるかどうかを確認することをモデリングという言います。そのモデリングができたならば、それを他の事象に当てはめてみることをシミュレーションと言います。そのシミュレーションが他の事象でも使えた場合、それを元に未来を予測していくことが「モデリング/シミュレーション法」になります。

■傾向分析法
「傾向分析法」というのは、ひとつのプロセスを測定して時系列で扱い、その傾向をもって判断する統計手法です。完全に解明できていない不確実性のあるものに対して、何かしらのモデルを仮説として立て、それを測定結果の説明に利用するというものです。測定した結果が増えていたり減っていたりという傾向を見つけることによって、単なる偶然の振る舞いではないという説明を試みる未来予測の方法です。

■シナリオ・プランニング法
「シナリオプランニング」は、未来に起こるシナリオを複数設定し、それに対してどのような解決をしていけば良いかを考える手法です。人口動向であったり、鉱物の埋蔵量であったり、既に分かっている既知の情報を「政治」「経済」「社会」「技術」「法律」「環境」といったものの傾向を含めて検討していきます。その中で、実際に事象が起こった場合にインパクトが大きいものを並べ、そのインパクトを適切に処理する手法を複数考えるのが「シナリオプランニング法」です。現在の延長線にはない変化が起こったと仮定して作る複数のシナリオです。単に複数の未来を予測するのではなく、現在の延長線上にはない未来を予測する方法です。この「シナリオプランニング法」は、インパクトが大きい未来を仮定するため、「バックキャスティング法」と相性が良い方法です。

【著名な未来学者】
■アルビン・トフラー
■ビル・ジョイ
■ダニエル・ベル
■ハーマン・カーン
■ピーター・シュワルツ
■ジョン・ブラナー
■ポール・サフォー
■グレース・ホッパー
■レイ・カーツワイル
■ロバート・A・ハインライン
■ロバート・アントン・ウィルスン
■ジョン・ネズビッツ (John Naisbitt)
■スティーヴン・ホーキング
■セオドア・カジンスキー
■浜田和幸
■糸川英夫
■エイミー・ウェブ

世界の未来をどのように予測しているの?

未来学の代表的人物といえるアルビン・トフラー。著書「第三の波」で有名ですが、彼が2010年に発表した「40 FOR THE NEXT 40」という予測があります。本件を、日本語訳したものを掲載したいと思います。未来を考える上で、一助になればと思います。

■次の40年に起こる40のこと(40 FOR THE NEXT 40)

【POLITICS】
■CHANGES IN LEADERSHIP AROUND THE GLOBE WILL CAUSE CHURN IN RELATIONSHIPS AND OBJECTIVES
地球周辺の指導力の変化は関係や目的を左右する原因となるでしょう。
・Just in the next three years, approximately 80 nations will hold presidential elections.
2011年~2013年で、およそ80カ国が大統領選挙を行うでしょう。
・The number of women in national leadership positions will increase at an unprecedented rate.
全国的な指導的立場にある女性の数はかつてないほどの割合で増加するでしょう。
・Religious groups will push to get into governments around the world.
宗教団体は世界中の政府に参画することを推し進めるでしょう。

■NATION-STATE POWER AROUND THE GLOBE WILL BE INCREASINGLY “MULTI-POLAR” IN TERMS OF WHO WIELDS IT AND WHERE
地球周辺の国家の力は、それを享受する者と受ける者の間で、「多極」的に成長するでしょう。
・The economies of Brazil, China and India will become less US and EU centric.
ブラジル、中国、インドの経済成長は、米国とEU中心のものにはならないでしょう。
・Foreign Direct Investments will shift toward developing economies.
海外直接投資は発展途上国にシフトするでしょう。

■THE GROWING POWER OF NON-STATE ACTORS WILL CREATE PERVASIVE CHALLENGES TO NATION-STATE POWER AND INFLUENCE
国家を支配しない行為者の力の増大は、国民国家の権力と影響に対する持続的な挑戦を生み出すでしょう。
・Private sector actors, NGOs, religious groups, “hyper-empowered” individuals whose resources can exceed those of states, and a wide range of transnational networks ? both licit and illicit ? will create a radically different future.
民間部門の主体、NGO、宗教団体、国家を超える資源を持つ「極度に権限を与えられた」個人、そして合法・非合法を問わず幅広い多国籍ネットワークが、根本的に異なる未来を生み出すでしょう。
・The most pressing geopolitical threat will not be al Qaeda, but its franchises, the wider network-of-networks spawned and inspired by its ideology.
最も差し迫った地政学的脅威はアルカイダそのものではなく、そのフランチャイズ、すなわちそのイデオロギーに触発され生み出された広範なネットワーク群となるでしょう。
・“Hyper-empowered” individuals and groups will continue to gain access to knowledge, technology and finances previously attainable only by nation-states.
「極度に権限を与えられた」個人およびグループは、これまで国民国家でしか得られなかった知識、技術、および財政に対するアクセスを獲得し続けるでしょう。

■THE NUMBER AND VARIETY OF NON-STATE ACTORS WILL RISE DRAMATICALLY
非国家行為者の数と多様性は劇的に上昇するでしょう。
・NGOs will be the fastest growing non-state actors, and will be key to governmental and industry strategies and solutions.
NGOは最も急成長している非国家主体であり、政府および業界の戦略と解決策の鍵となるでしょう。
・Governments’ engagement with non-state actors will intensify, shaping issues from security to development.
政府の非国家主体との関わりが強化され、安全保障から開発に至るまでの問題が形成されるでしょう。

■THE GROWTH OF SMART POWER INSTRUMENTS REFLECTS THE COMPLEXITY OF SECURITY CHALLENGES
スマートパワーの手法の成長は、セキュリティ課題の複雑さを反映するでしょう。
・Military might will seldom be used in isolation again.
軍事力が単独で用いられることはめったになくなるでしょう。
・Challenges such as political instability, radicalism, economic have-nots, population migrations and mobility, plus widespread youth unemployment will make hard power insufficient by itself.
政治的不安定、急進主義、経済的困窮、人口移動と流動性、そして広範な若者の失業などの課題は、ハードパワー単独では不十分なものにするでしょう。

■THE MIDDLE EAST WILL CONTINUE TO POSE “WICKED” SECURITY ISSUES WITH GLOBAL IMPLICATIONS
中東では、世界に影響を及ぼす「厄介な」セキュリティ問題が引き続き発生するでしょう。
・The Middle East will witness accelerating reversion to a tangle of religions, sects and ethnicities.
中東は、宗教、宗派、民族の複雑なもつれへと加速的に戻っていく様子を目の当たりにするでしょう。
・The nature of the balance between Middle Eastern countries will be interrupted by new forms of instability.
中東諸国間の勢力均衡は、新たな形の不安定性によって乱されるでしょう。

■PHILANTHRO-CAPITALISTS WILL INCREASINGLY WIELD INFLUENCE AND POWER ON A GLOBAL SCALE
慈善事業投資家は、世界規模での影響力と権力をますます拡大するでしょう。
・Organizations such as the Bill & Melinda Gates Foundation will eventually have more influence than national and multi-national organizations when it comes to education and disease eradication in third world nations.
ビル&メリンダゲイツ財団のような組織は、第三世界諸国の教育および疾病撲滅に関して、最終的には国内外の組織を超える影響力を持つようになるでしょう。
・The number of philanthro-capitalists will increase, due in no small part to Bill Gates’ efforts to get billionaires to give away half their fortunes in their lifetimes.
億万長者に生涯のうちに財産の半分を寄付させようとするビル・ゲイツの取り組みにより、慈善資本家の数は増加するでしょう。

■ROGUE NATIONS WILL CONTINUE TO BE GEO-POLITICAL WILDCARDS
不正国家は引き続き、地政学上のワイルドカードであり続けるでしょう。
・The world stage will continue to have a very small number of players who act irrationally, such as North Korea and Iran, but they will have a significant impact on regional and global political issues.
世界舞台では、北朝鮮やイランのような非合理的行動をとる極少数のプレイヤーが存在し続け、地域的および世界的な政治問題に大きな影響を与えるでしょう。
・A true test for political leaders will be in how they handle relationships with these nations, and to what extent they allow them to control geo-political agendas.
政治指導者にとっての真の試練は、これらの国々との関係をどのように扱い、どこまで彼らに地政学的議題のコントロールを許すかにかかっています。

【TECHNOLOGY】
■THE EMERGENCE OF OPEN NETWORKS FOR INNOVATION WILL ALLOW RAPID ACCESS TO SPECIALISTS ACROSS THE GLOBE
イノベーションのためのオープンなネットワークの出現は、世界中の専門家への迅速なアクセスを可能にするでしょう。
・Open, collaborative innovation paradigms will enable companies to grow innovation capabilities beyond the limits of internal R&D teams.
オープンで協働的なイノベーションのパラダイムにより、企業は社内の研究開発チームの限界を超えてイノベーション能力を拡大できるでしょう。
・Technologies will not be developed in-house. Successful organizations will become adept at integrating large problem-solver networks, linking “answer seekers” with “problem solvers” across the globe to rapidly harness the brainpower of international experts.
テクノロジーは自社内で開発されることは少なくなります。成功する組織は、世界中の「回答を求める者」と「問題を解決する者」を結び、大規模な問題解決ネットワークを統合して国際的な専門家の知恵を迅速に活用することに長けるようになるでしょう。

■NEW PROCESSING AND STORAGE METHODS WILL FUNDAMENTALLY CHANGE HOW WE HANDLE INFORMATION
新たな処理および保管方法により、情報の取り扱い方法が根本的に変わるでしょう。
・The world will enter the “Petabyte Age,” where data saturation is the norm.
世界は「ペタバイト時代」に突入し、データが飽和状態になるのが常となるでしょう。
・Widespread quantum computing will be a realistic possibility in the next 10-15 years, which could lead to either the rebirth ? or the end ? of encryption as we know it.
今後10~15年以内に量子コンピューティングの普及が現実味を帯び、現在の暗号技術の復活または終焉をもたらす可能性があります。

■ADVANCEMENTS IN DISRUPTIVE TECHNOLOGIES WILL SIGNIFICANTLY ALTER THE DEFENSE, SECURITY AND SAFETY LANDSCAPE
破壊的技術の進歩は、防御、安全、セキュリティの分野に大きな変化をもたらすでしょう。
・Advances in biotechnology will lead to bio-implants that provide enhanced human performance.
バイオテクノロジーの進歩により、人間の能力を向上させるバイオインプラントが誕生するでしょう。
・Advances in ubiquitous sensors will result in chemical, biological, radiological, nuclear and meteorological sensors in everyday personal devices, such as cell phones.
ユビキタスセンサーの進歩は、携帯電話などの日常的なデバイスに化学的、生物学的、放射線、核、気象センサーを搭載することにつながるでしょう。
・Advances in “wild card” technologies will lead to the ability to “hack” people via neural, computer or other means to attack cognitive function with neutral energy.
「ワイルドカード」技術の進歩により、ニューラル、コンピュータ、その他の手段を通じて、認知機能に影響を与える中立的なエネルギーを用いた攻撃、いわゆる「ハッキング」が可能になるでしょう。

■MASS PRODUCTION WILL INCREASINGLY BE REPLACED WITH ON-DEMAND, CUSTOM MANUFACTURING OF COMPLEX PRODUCTS AND SERVICES
大量生産は、オンデマンドによる複雑な製品やサービスの受注生産にますます置き換えられるでしょう。
・Small, agile companies will continue to bring personal attention to customers, allowing them to compete effectively with large manufacturers.
小規模で機敏な企業は、顧客に対してパーソナルな対応を継続し、大手メーカーと効果的に競争できるようになるでしょう。
・Compact fabricators and raw material suppliers will replace stockpiling repair parts for maintenance.
コンパクトな製造業者および原材料の供給者が、メンテナンス用の修理部品の備蓄に代わるようになるでしょう。

■RAPID TECHNOLOGICAL ADVANCES WILL HAVE SIGNIFICANT IMPACT ON HOW WE TARGET, MONITOR AND CURE DISEASES
急速な技術進歩は、病気のターゲティング、監視および治療方法に大きな影響を与えるでしょう。
・Rapid biotechnology advances will lead to the ability to remotely trigger automatic production of immune response and medicines in the body via implants or other means.
急速なバイオテクノロジーの進歩により、インプラントまたはその他の手段を通じて体内の免疫反応や薬の自動生成を遠隔的に引き起こす能力が生まれるでしょう。
・Rapid technological advances in ubiquitous sensors will lead to the improved ability for bio-health monitoring.
ユビキタスセンサーの急速な技術進歩は、バイオヘルスモニタリング能力の向上につながるでしょう。

■MOLECULAR NANOTECHNOLOGY MANUFACTURING WILL HAVE AN IMMENSE IMPACT ON SOCIETY, BUSINESS AND TECHNOLOGY
分子ナノテクノロジーによる製造は、社会、ビジネス、技術に計り知れない影響を与えるでしょう。
・Molecular manufacturing ? the ability to construct powerful, atomically precise products at an exponentially increasing pace ? will create disruptions, such as an unprecedented invasion of privacy resulting from cheaper, smaller, more capable and widely available surveillance devices.
分子レベルでの製造、すなわち原子的に正確で強力な製品を指数関数的な速度で構築する能力は、より安価で小型かつ高性能で広く使える監視装置による前例のないプライバシー侵害といった混乱を引き起こすでしょう。

■VALUABLE INFORMATION RISKS COLLECTING “CYBERDUST”
重要な情報が「サイバーダスト」として蓄積されるリスクがあるでしょう。
・In some corners, including the military and intelligence agencies’ collection of full motion video (FMV), data is being collected faster than it can be analyzed.
軍や諜報機関によるフルモーションビデオ(FMV)の収集など、一部の分野では、データが分析可能な速度を上回って収集されています。
・New automated tools need to be developed to replace what is now a human-driven task; if they aren’t, then valuable information will risk collecting “cyberdust,” sitting on a server without being analyzed because of an increasing backlog.
現在は人手に頼っている作業に代わる新たな自動化ツールが開発されなければ、貴重な情報がバックログの増加により分析されずにサーバー上に「サイバーダスト」として蓄積される危険があります。

■COMPANIES WILL INCREASINGLY CREATE VALUE BY BEING “CONNECTORS”
企業は、ますます「コネクター」として価値を創出するようになるでしょう。
・Companies will increasingly follow the Apple/iPhone model of creating value, not by creating products (in Apple’s case, apps), but by hosting the marketplace and charging to connect consumers to producers.
企業は、製品(アップルの場合はアプリ)を作るのではなく、市場をホスティングし、消費者と生産者をつなぐことで価値を創出するApple/iPhoneモデルにますます従うようになるでしょう。

【SOCIAL】
■MASSIVE GROWTH IN URBANIZATION AND GLOBAL MIGRATION WILL DRIVE THE EMERGENCE OF MEGACITIES
都市化と世界規模の移住の大幅な増加は、メガシティ(巨大都市)の出現を促すでしょう。
・In the US, Chicago, Washington, D.C./Baltimore, San Francisco and possibly Dallas and/or Philadelphia will join New York and Los Angeles as megacities, based on natural population growth.
米国では、シカゴ、ワシントンD.C./ボルチモア、サンフランシスコ、そしておそらくダラスやフィラデルフィアが、自然な人口増加によりニューヨークやロサンゼルスに並ぶメガシティとなるでしょう。

■MIGRATION, URBANIZATION AND POPULATION GROWTH WILL CHANGE RELIANCE UPON LOCAL INFRASTRUCTURE
移住、都市化、人口増加は地域インフラへの依存を変容させるでしょう。
・Global population growth will increase demand for scarce natural resources and strain infrastructures (water, food, energy, etc.).
世界の人口増加は、限られた天然資源への需要を高め、水、食料、エネルギーなどのインフラに負荷をかけるでしょう。

■POPULATION AND DEMOGRAPHIC CHANGES AROUND THE GLOBE WILL CREATE FINANCIAL, SOCIAL AND ECONOMIC STRESSES ON NATIONS
世界各地の人口および人口統計の変化は、国家に財政的、社会的、経済的なストレスをもたらすでしょう。
・Developed countries will be populated by a mix of older natives and younger immigrants.
先進国は、高齢の先住民と若い移民が混在するようになるでしょう。
・Urbanization and the youth population bulge will change the make-up and nature of developing nations.
都市化と若年層の人口急増は、発展途上国の構造と性質を変えるでしょう。

■AGING BABY BOOMERS AND INCREASED LIFE EXPECTANCY WILL DRIVE CHANGE TO FEDERAL SPENDING PRIORITIES
高齢化するベビーブーマーと寿命の延長は、連邦政府の支出優先順位に変化をもたらすでしょう。
・Social Security and Medicare will no longer exist as we know them today.
今日知っているような社会保障およびメディケアは、姿を変えるでしょう。
・Spending on long-term care services for the elderly will increase 2.5 times, nearly quadrupling in constant dollars to $379 billion by 2050. Spending to cover these services will not just come from the government, but from NGOs and business.
高齢者向けの長期介護サービスへの支出は2.5倍に増加し、2050年には実質ドルでほぼ4倍の3790億ドルに達するでしょう。これらのサービスの費用は、政府だけでなくNGOや企業からも賄われるようになるでしょう。

■SOCIAL NETWORKING WILL DRIVE NEW MEANS OF INFLUENCE
ソーシャルネットワーキングは、新たな影響力の手段を生み出すでしょう。
・New relationships will break down previously protected borders and provide new intelligence sources.
新たな関係性は、これまで保護されていた国境を打破し、新たな情報源を生み出すでしょう。
・Government and business will reach out to previously unconnected contacts, exposing new risks.
政府と企業は、これまで接点のなかった相手とも連携を取るようになり、新たなリスクが露呈するでしょう。

■CONSUMERS WILL DRIVE CHOICE
消費者が選択を主導するようになるでしょう。
・Communication technologies and social networks will become increasingly influential, deciding factors in product and service offerings.
通信技術とソーシャルネットワークは、製品やサービスの提供においてますます重要な決定要因となるでしょう。
・Consumers or customers will be the most important source of innovation within organizations. The main driving force for “prosumption” ? the unpaid output that we all produce every day ? will be the technology-enhanced interaction between employees, suppliers, partners and customers.
消費者や顧客は、組織内における最も重要なイノベーションの源となるでしょう。私たち全員が日々生み出す無償のアウトプットである「プロシュミョン」の主な原動力は、従業員、サプライヤー、パートナー、顧客間で技術によって強化された相互作用となります。

■IT WILL BE IMPOSSIBLE FOR ORGANIZATIONS TO HIDE IMPROPER ACTIONS
ITの進展により、組織が不適切な行動を隠すことは不可能になるでしょう。
・Rapidly growing amounts of information, and the proliferation of professional/consumer grade tools for analysis and interpretation, mean previously empowered individuals will now be able to see what organizations are doing, and promote that information to others.
急速に増加する情報量と、分析・解釈のための専門家レベルおよび消費者レベルのツールの普及により、これまで情報収集が困難だった個人が、組織の行動を把握し、その情報を他者へ発信できるようになるでしょう。
・Consumer opinion of corporate responsibility practices will influence product/service selection and brand switching.
企業の社会的責任の実践に対する消費者の意見が、製品やサービスの選択、さらにはブランドの乗り換えに影響を与えるでしょう。

■GLOBAL RELIGIOUS DYNAMICS WILL IMPACT THE POLITICAL, SOCIAL AND SECURITY ENVIRONMENTS OF THE FUTURE
グローバルな宗教動向は、将来の政治、社会、さらには安全保障環境に影響を与えるでしょう。
・Changes in global religious demography, such as the rapid growth of Christianity in the global South and increased Muslim immigration to Western nations, will shape public attitudes and government policies.
グローバル・サウスにおけるキリスト教の急速な成長や、西側諸国へのイスラム教徒の移民増加など、世界的な宗教人口統計の変化は、公共の態度や政府の政策を形成するでしょう。
・Growth in religious believers will have an increased impact, with major policy and security implications around the world.
宗教信者の増加は、世界中で主要な政策および安全保障上の影響をもたらすでしょう。

【ECONOMICS】
■CHINA WILL CONTINUE TO POSITION ITSELF AS A LONG-TERM ECONOMIC POWER-PLAYER AROUND THE GLOBE
中国は、世界における長期的な経済大国としての地位を維持するでしょう。
・China teams with other emerging countries (Brazil, India and China) to influence currency utilization.
中国は他の新興国(ブラジル、インド、中国)と連携して、通貨の利用に影響を与えるでしょう。
・China partners with other countries (Venezuela and Africa) to meet energy needs and to import a wide range of raw materials.
中国は他国(ベネズエラやアフリカなど)と提携し、エネルギー需要を満たし、幅広い原材料を輸入するでしょう。

■SOUTH AMERICA WILL BE RESHAPED BY PROLONGED ECONOMIC GROWTH
南アメリカは、長期的な経済成長によって再編成されるでしょう。
・Sustained economic expansion will create renewed global influence.
持続可能な経済拡大は、新たな世界的影響力をもたらすでしょう。
・Bad Actors, specifically Venezuela, will challenge US influence in the region.
反米的な行動をとる勢力、特にベネズエラは、この地域における米国の影響力に異議を唱えるでしょう。

■SMART POWER WILL COUNTER THE INFLUENCE OF GROWING ECONOMIES
スマートパワーは、成長する経済の影響に対抗する手段となるでしょう。
・Developed countries will pursue the use of smart power to promote economic development and nation-building, increasingly important strategies for national security.
先進国は、国家安全保障上ますます重要となる経済発展や国家建設を促進するために、スマートパワーの活用を追求するでしょう。
・Soft power will get “smart” as knowledge and communications amplify coordination, with countries and NGOs providing assistance.
知識とコミュニケーションが協調を強化するにつれて、国やNGOによる援助の下、ソフトパワーも「スマート」に変化するでしょう。

■MOBILITY IN THE GLOBAL MARKET WILL BECOME A PRIORITY
グローバル市場での移動性が、最優先事項となるでしょう。
・Safe, efficient transportation will be crucial to the global economy as it lies at the core of international trade. Future economic activity will drive unprecedented demand for global transportation services.
安全で効率的な輸送は国際貿易の核となるため、世界経済にとって極めて重要です。将来の経済活動は、世界規模の輸送サービスに対して前例のない需要を推進するでしょう。
・The strong demand for faster, cheaper delivery of goods will bring about larger container ships in the shipping industry and spur further improvements to the Suez and Panama Canals.
より速く、より安価な商品の配送に対する強い需要は、海運業界においてより大きなコンテナ船をもたらし、スエズ運河やパナマ運河の更なる改善を促すでしょう。
・Corporations will become nimble enough to maneuver in and out of other countries very quickly.
企業は、他国への出入りを極めて迅速に行えるほど機敏になるでしょう。

■KNOWLEDGE WILL BE A MAJOR SOURCE OF CAPITAL
知識は主要な資本の供給源となるでしょう。
・The ability to exploit information across traditional boundaries will be a great boon to developing countries as they come to recognize the importance of knowledge capital.
伝統的な枠を超えて情報を活用する能力は、知識資本の重要性を認識し始める途上国にとって大きな恩恵となるでしょう。
・Recognizing the importance of knowledge capital, developing countries will begin to place priority emphasis on education and knowledge transfer.
途上国は、知識資本の重要性を認識し、教育と知識移転を優先事項とするようになるでしょう。
・The US will make international education a top priority, encouraging Americans to travel to other countries and see themselves as part of the global community.
米国は国際教育を最優先事項とし、アメリカ人に他国を訪れて自らをグローバル・コミュニティの一員と認識させるよう奨励するでしょう。

■HIGH COSTS OF “OBSOLEDGE” WILL IMPACT GLOBAL COMPETITIVENESS
「無用知識」にかかる高コストは、グローバル競争力に影響を及ぼすでしょう。
・Every chunk of knowledge has a limited shelf life, becoming, at some point, obsolete ? “obsoledge.”
すべての知識は有効期間が限られており、やがて「無用知識」となるでしょう。
・Accelerating change speeds up the rate at which knowledge becomes obsoledge. Every passing semi-second, accuracy of our knowledge about our investments, our markets, our competition, our technology and our customers will diminish.
変化の加速は、知識が陳腐化する速度を早めます。私たちの投資、市場、競争、技術、顧客についての知識の正確性は、半秒ごとに低下していくでしょう。
・Obsoledge costs will be in the form of degraded decision-making.
「無用知識」にかかるコストは、意思決定の質の低下という形で表れるでしょう。

■WORK WILL CONTINUE TO EXPAND TO FILL WHATEVER TIME AND SPACE IS AVAILABLE
仕事は、利用可能な時間と空間を埋める形で拡大し続けるでしょう。
・Work will continue to be driven by knowledge. The increased knowledge content of work means that communication and the speed of knowledge transfer will be increasingly critical to the success of business.
仕事は知識によって推進され続け、その知識量の増加は、コミュニケーションと知識伝達のスピードがビジネス成功のためにますます重要となることを意味します。

■WHEN IT COMES TO WORK, “WHERE” WILL MATTER LESS AND LESS
仕事において「どこで」が重要でなくなるでしょう。
・The proliferation of high speed internet connections, the growth of low-cost videoconference technology, and the ability to rapidly and easily move around the globe via interrelated networks of airlines will allow white-collar workers to complete their work anywhere in the world, freeing them from their cubicles.
高速インターネット接続の普及、低コストのビデオ会議技術の成長、そして相互に連携する航空ネットワークにより、ホワイトカラー労働者は世界のどこでも業務を遂行でき、固定席から解放されるでしょう。
・The major challenge this will create is for local and national governments to play catch-up with regard to modernizing tax law.
これにより生じる大きな課題は、地方自治体および中央政府が税法の近代化に追いつくことでしょう。

■TECHNOLOGICAL ADVANCES WILL HELP RESHAPE GLOBAL ECONOMIC POWER
技術進歩は、グローバル経済力の再構築に寄与するでしょう。
・New abilities to identify resource deposits and extract them at low cost will give increased economic power to previously poor or ignored nations.
資源埋蔵量を特定し、低コストで抽出する新たな能力は、これまで貧困または軽視されてきた国々に経済力をもたらすでしょう。

【ENVIRONMENT】
■COMPETITION FOR ENERGY WILL INTENSIFY, SHIFTING STATE POWER
エネルギーへの競争は激化し、国家権力の構造変化を促すでしょう。
・Energy resources will be used as leverage in broad economic warfare.
エネルギー資源は、広範な経済戦争におけるレバレッジとして利用されるでしょう。
・Energy competition will be multi- and cross-regional. Iran and Russia will use energy to increase power.
エネルギー競争は多地域、または地域間で行われ、イランとロシアはエネルギーを用いて影響力を高めるでしょう。
・Governments will use diplomatic means to blur the lines between energy and other key issues.
政府は、エネルギーと他の重要課題との境界を曖昧にするため、外交的手段を用いるでしょう。

■RAPID TECHNOLOGICAL ADVANCES WILL IMPACT THE PRODUCTION, CONSUMPTION AND STORAGE OF ENERGY
急速な技術進歩は、エネルギーの生産、消費、貯蔵に影響を及ぼすでしょう。
・Advances in nanotechnology will lead to a significant proliferation in diversity of high-powered, portable energy generation and storage devices. This will spur the use of renewable electricity generation, which was previously prohibited due to storage deficiencies.
ナノテクノロジーの進歩により、高出力で携帯可能なエネルギー生成および貯蔵装置の多様性が大幅に拡大し、貯蔵上の課題から以前は制約されていた再生可能エネルギー発電の普及を促すでしょう。
・Alternatives to oil and natural gas will create losers in a post-petroleum world, including Saudi Arabia, Russia, Iran, Iraq, Venezuela and smaller Gulf states.
石油や天然ガスの代替エネルギーは、サウジアラビア、ロシア、イラン、イラク、ベネズエラ、そして規模の小さい湾岸諸国など、脱石油世界における敗者を生むでしょう。

■CLIMATE CHANGE WILL SERVE AS A CONFLICT ENABLER IN FRAGILE NATIONS
気候変動は、脆弱な国家において紛争の火種となるでしょう。
・Climate change will influence all industries and sectors of society, in part by affecting the infrastructures on which they rely.
気候変動は、依存するインフラに影響を与えることで、あらゆる産業や社会部門に作用するでしょう。
・A rise in sea levels and the resulting loss of territorial land will cause a conflict from displaced populations around the world.
海面上昇とそれに伴う領土の喪失は、世界中で住む場所を失った人々による紛争を引き起こすでしょう。
・Buried Arctic mineral wealth and oil fields will be made more accessible by melted seas, fueling conflict.
溶け出す海氷により、埋もれていた北極の鉱物資源や油田がより容易に利用可能となり、それが紛争の火種となるでしょう。

■CHINA’S MONOPOLY CONTROL OF THE WORLD’S RARE EARTH METALS MARKET WILL HAVE A SIGNIFICANT IMPACT ON US NATIONAL SECURITY AND THE ECONOMY
世界のレアアース(希土類金属)市場における中国の独占支配は、米国の国家安全保障および経済に大きな影響を与えるでしょう。
・The seventeen elements that make up a group known as rare earth metals will remain critical to the performance of hundreds of products and technologies.
レアアースとして知られる17の元素は、何百もの製品や技術の性能にとって依然として重要な役割を果たすでしょう。
・The US will be reliant on China’s metals to produce such things as high-performance weapons components, internal guidance systems, microwave communications systems, radars, the motors and generators that power aircraft and ships, wind turbines, high-performance batteries, hybrid cars, superconductors, computer chips and digital displays.
米国は、高性能武器部品、内部誘導システム、マイクロ波通信システム、レーダー、航空機や船舶の駆動用モーターおよび発電機、風力タービン、高性能バッテリー、ハイブリッドカー、超伝導体、コンピュータチップ、デジタルディスプレイなどの製造において、中国製の金属に依存するようになるでしょう。

■RAPID NANOTECHNOLOGY ADVANCES WILL HAVE A SIGNIFICANT IMPACT ON CHEAP WATER DESALINIZATION/PURIFICATION TECHNOLOGY
急速なナノテクノロジーの進歩は、低価格な海水淡水化/浄化技術に大きな影響を与えるでしょう。
・Advances in water filtration will solve the growing need for drinkable water, significantly reducing global conflict between water-starved nation-states.
水のろ過技術の進歩は、飲料水の需要増大を解決し、水不足に悩む国家間の紛争を大幅に減少させるでしょう。
・Better water filtration will eliminate many forms of disease from developing countries, spurring their development.
より優れた水ろ過技術は、発展途上国における多くの病気を排除し、それら国の発展を促進するでしょう。

■AS ENVIRONMENTAL AWARENESS GROWS, SO DOES INDIVIDUAL AND COLLECTIVE ACTION
環境意識の高まりに伴い、個人および集団による行動も活発化するでしょう。
・Individuals will increasingly start and maintain small gardens to reduce their dependence on large food manufacturers and distributors.
個人は、大規模な食品製造業者や流通業者への依存を減らすため、小規模な菜園を始め、維持するようになるでしょう。
・Community Supported Agriculture (CSA) will continue to grow in prominence and acceptance in urban areas for both individual consumers and restaurants.
コミュニティ支援型農業(CSA)は、個人消費者およびレストランの双方において、都市部での存在感と受け入れがますます高まるでしょう。

■GLOBAL COMPANIES WILL HAVE EMBRACED THE “FOURTH BOTTOM LINE”
グローバル企業は「第4の結論」を採用するようになるでしょう。
・Beyond simply reducing harmful outputs, organizations will improve and strengthen the resiliency of the environment, helping ensure that it can withstand and thrive in the face of the threats ? both natural and man-made ? that accelerating change creates.
有害な排出物の削減だけに留まらず、組織は環境の回復力を改善・強化し、変化の加速がもたらす自然および人為的な脅威に対抗して環境が持続可能な状態を維持できるよう支援するでしょう。

出典:https://www.tofflerassociates.com/