更新日:2020年04月02日
ごみの問題はよく耳にします。その中でも、家庭で生ごみを処理できる「生ごみ処理機」の現在をお伝えします。生ごみ処理機とは、生ごみなどの有機物を処理する家電製品のことです。いくつか種類があり、「バイオ式生ごみ処理機」と「乾燥式生ごみ処理機」があります。その他にも、「ハイブリッド式生ごみ処理機」もあります。
■バイオ式生ごみ処理機
「バイオ式生ごみ処理機」は、「好気性微生物」によって生ごみを有機物を分解して、最終的には二酸化炭素と水にしてしまう方法です。簡単に言ってしまえば、堆肥化に近いメカニズムになります。微生物を使うため、「好気性微生物」と言われる微生物に、適した環境を作る必要があります。コンポストというものもありますが、「嫌気性微生物」という種類の微生物の力で分解を行います。「好気性微生物」というのは、酸素を使って代謝を行って生きていく微生物のことです。そのため酸素が取り込めるようにしなければなりません。「嫌気性微生物」というのは細菌などのことで、酸素がなくても生きていけます。「好気性微生物」を利用してゴミ処理行うのが、「バイオ式生ごみ処理機」になりますが、始めに40度前後から60°前後でないと、「好気性微生物」が活発に活動しないため、それを補うためのヒーターの付与が必要になります。酸素を必要とする微生物を使うので、撹拌といった酸素が行き届くメカニズムが必要になります。若干ですが、臭いの問題もあります。分解している際に発生する臭い対策は、行わなければいけません。生ごみから出る水分の調整もとても重要です。うまく水分を調整しないと、堆肥化が進みません。「嫌気性微生物」と比べると、「好気性微生物」は処理速度が早い傾向にあります。匂いも「嫌気性微生物」よりも匂いません。
■乾燥式生ごみ処理機
生ごみのほとんど(約80%)は水分です。「乾燥式生ごみ処理機」は、この水分を蒸発させて乾燥して減量化する生ごみ処理機になります。純正に土になるというものではありません。
■ハイブリッド式生ごみ処理機
「ハイブリッド式生ごみ処理機」は、「バイオ式生ごみ処理機」と「乾燥式生ごみ処理機」の良いところを組み合わせた「生ごみ処理機」となります。温風を送付しながら乾燥を行いつつ、「好気性微生物」が活発に活動する水分量を調整して、生ごみ処理を行うものです。熱で生ごみを乾燥させ、その後に微生物が分解するといったイメージです。更に、「微生物発酵消滅方式」の場合は、堆肥が作成されず、生ごみのほとんどが分解さなくなってしまうといったスグレモノです。値段はいちばん高額になりますが、ニオイが少ないという声もあり、これからの普及が楽しみな生ごみ処理機です。「ハイブリッド式生ごみ処理機」は、住宅のモビリティ化に対応します。仮に生活材のほとんどを、最終的には「生ごみ処理」できるものだけで利用すれば、全てのごみ処理が自宅で行えてしまうということです。そのような商品だけを取り揃えたオンラインショップなどがあるととても分かりやすいのではないかと思います。
生ごみ処理機に入れてはいけないものとして、「貝殻・甲殻類のカラ」「油類・油分の入ったお菓子」「鶏の骨・大魚の骨や頭」「汁物」「柑橘類」「種などの固いもの」「薬・薬品・洗剤」があげられます。このようなものは、「好気性微生物」が分解できません。生ごみ処理機にもそれぞれ容量があります。一般的な家庭で1日に出る生ごみの量は、約500g-700gと言われています。したがって、1kgほどの容量を見ておくと良いでしょう。もちろん家庭によって量は異なるので、家族の人数が多い場合、生ごみの量も増えるはずなので、少し大きめのものを選んでみて下さい。容量が大きくなれば、当然ながら本体も大きくなります。短時間で処理できる小型のものを選んで、数回に分けて処理するというのもひとつの手段です。
「バイオ方式生ごみ処理機(含む、微生物分解方式家庭用生ゴミ処理機)」をご紹介します。乾燥式だと、最終的にはごみを出さなければいけませんが、「バイオ方式生ごみ処理機」であれば、生ごみ自体がほとんど処理されるので、ごみ処理場に出すごみの量を、個人単位で減らすことができます。
■バイオクリーン(BS-02型)
東北大学と共同研究で開発された「アシドロコンポスト分解方式」という方式でごみを分解します。生ごみの85%以上を24時間以内に分解して、炭酸ガスと水にしてしまいます。残りは基材の一部になるります。操作もとても簡単にできて、蓋を閉めれば後は自動で温度調整してくれて、自動撹拌が行われて生ごみ処理が終了します。分解処理をして増えた基材は、良い堆肥になりガーデニングなどで利用が可能です。生ごみはいつでも入れることができます。臭いが少ないのも特徴です。価格は90000円という価格設定です。処理能力は、1日あたり2キロの処理が可能です。微生物の付いた基材は長期間の持続性があり、10年以上取り替えが不要という実績を持っているそうです。好気性細菌を使っているため、臭いもあまりしません。分解できるものとできないものがありますが、水分が多すぎると分解に悪い影響を与えてしまうので注意が必要です。基本的には人が食べられるものを投入できて、食べれないものの投入をしてはいけません。
参考URL:http://www.acidulo.com/
■ダスクリンくるくるIII型
ダスクリンくるくるIII型は、微生物分解方式の家庭用生ごみ処理機です。エネルギーを全く使わない生ごみ処理機になります。好気性微生物(酸素を好む微生物)による分解なので、 匂いもほとんどありません。全体にもとても安全なごみ処理ができます。虫を受け付けないような処理になっているので、虫の被害もなくとても良いと思います。ソルビオという基材に微生物が住んでいて、その中に生ごみを投入することによって、ゴミ処理ができます。生ごみを消してしまうことに、重きを置いた機能になっています。完全に生ごみを分解してしまうため、堆肥はできないような作りになっています。1日に最低2回は付属のハンドルを回すことで、基材の撹拌ををしています。そのため電気を使わないとてもエコな作りになっています。生ごみを投入しても、ほとんど基材の量は増えません。一般的な4人家族が、1日に出すゴミの量が約500g程度と言われています。そのためこの処理機は、投入量が500gまでという作りになっています。電源を使わないため、冬場などは菌の活性化を行うために、暖かい場所に置く必要があります。基本的には土の匂いしかしませんし、毎日撹拌をすることで分解が進みます。放っておいても生物が休眠するだけなので、長期で出かけることが多い方は、電気を使う方式が安定して分解がされますが、それ以外であれば、手動のダスクリンくるくるIII型でも問題ないと考えます。
参考URL:https://www.binchoutan.com/dusclean.html
■エコ美人
エコ美人は、水分をよく切った生ごみを1回最大1000g。1日に「1kg-1.5kg」の処理できます。蓋を閉めれば自動的に分解が始まって、微生物の力によって炭酸ガスと水に分解します。早いものは10分から20分で分解ができます。遅いものでも24時間でほぼ消滅します。生ごみ全般やペットの糞なども分解できます。貝殻や骨、毛、医薬品、ティッシュペーパーなどは分解できません。半年に一度程度バイオ剤「環境フレンド」 を投入してメンテナンスします。空気清浄機の脱臭機能を備えているエコ美人は、家のどこにおいても臭いの心配がありません。動作も静かな設計がされています。電気代も月に350円から450円程度と、とてもリーズナブルな生ごみ処理ができます。
参考URL:http://namagomisyori.com/environment/