更新日:2020年04月05日
アイデアも、クラウドソーシングで募集できる時代になっています。
アイデアを募集できるサイトも増えてきました。
ビジネスとしてアイデアを募集する場合、ビジネスを考える上で、いちばん最初のシーズ(種)の部分を外部と協力して考案するという意味合いになると思います。
「モノ」が売れない時代に、本当に必要なものはなにか?ということを、外部に聞いてみるということができるサイトです。
「集合知」を使って商品開発をしようという試みになります。
この「集合知」を使った開発のメリットのひとつ目は、それ自体がマーケティングリサーチの効果があるということです。
こちらの理想と方向性を示すことで、後は外部のニーズがありそうなところを考案してくれるので、それ自体がマーケティングリサーチになります。
昔であれば、ベンチャー企業を買収すれば、それで新しい商品を獲得可能という時もありました。
今は、それだけでは新規事業ができません。
自社で研究開発をして、新しい商品を企画しなければなりません。
しかし、全てそれらを内部で行うと、既存の知識に引っ張られすぎて、ヒット商品が生まれにくくなることも考えられます。
そこを、クラウドソーシングを使って、「集合知」である外部のアイデアを取り込んで開発するのも、ひとつの方法になると思います。
この方法は、クラウドファウンディングとはとても相性が良いと考えます。
外部から新しいシード(種)を作り出し、それを開花させるために協力してくれた方や、ソーシャルでつながった方から、クラウドファンディングという形で資金を調達するという形です。
参加して頂いた方に、ボトムアップの意見も聞けるので、商品の成功確率も高くなるのではないかと思います。
実際にクラウドソーシングで集めたアイデアを、形にするようなサービスも集まっています。
その「モノづくり系」のアイデア募集をするクラウドソーシングは、発起人がアイデアだけを募集し、その他の製造に関わるプロセスは他の会社が分担するような形をとっています。
例えば、これは3Dプリンターなどと組み合わせると、とても相性が良いと思います。
まずはアイデアを募集し、それを3Dプリンターを使ってプロトタイプを作成し、さらにそのプロトタイプを元にクラウドファンディングで資金を調達するというやり方も考えられます。
少し変わった方法では、企業の企画会議に参加してもらう方法もあります。
これはクラウドソーシング的にサイトで集めるのではなく、実際にアイデアや経験を持った人が企業の会議に参加して、その中で「新しいこと」を一緒になって考えていくというものです。
人が対面でやり取りする形となっています。
働き方改革のひとつと言えると思います。
ひとつの会社にとらわれず、色々な人が色々な会社で自分の得意な分野を伸ばすということです。
人材のシェアリングエコノミーと考えられるサービスです。
これからの時代は、コンセプトがしっかりしていれば、「集合知」を使ってアイデア自体を世界中の皆から募集することが可能です。
本当に欲しい「モノ」がない時代、集合知を集めながら、皆の作りたい「モノ」を代行して作るという心積もりで、商品開発やビジネスを考えていけばよいと思います。
全て社内で完結させるのは無理です。そのような閉鎖的な環境では、時代に乗り遅れてしまう世界になると考えます。
昨今、シェアリングエコノミーの時代と言われていますが、アイデアもシェアリングです。
その成果物を一人で独占するのではなく、皆と分け与えることが大切です。
テクノロジーが発展して、資本主義の経済も段々と変わっていくと思われます。
そうすると、各個人が個人事業主というような働き方になってくるかもしれません。
そんな中で、クラウドソーシングを活用した企画のことであったり、クラウドファンディングであったりと「集合知」を利用するサービスを取り込めば、大きな会社にも負けない商品を、少数精鋭で勝負できる時代が来ると思います。
3Dプリンターなどで、簡単に「モノ」が作れるようになれば、プログラムが書ければ、好きな「モノ」を開発することができます。
特にこれからは、クリエイティビティそのものが商品になる可能性があります。
「モノ」が売れないということは、多くの人が「モノ」を持っているからです。
そうすると、「モノ」ではなく、知識といったソフトウェアやサービスが商品になります。
さらにそれが進化した時代になると、本当に最後まで残るのは、人にしかできないアイデアを生み出すその部分、そのものだけが最終的な商品として残っていくのではないかと思います。
人間が「AI」に負けない部分は、最初のひらめきであったり、シード(種)であったり、そういうところが勝負できるところになってくるのではないかと思います。
それは「良い」という価値観だけで作られた商品ではないと思います。
「良い」だけの価値観で作るのであれば、それは「AI」に負けてしまいます。
「良い」という概念が、人がもっている「喜怒哀楽」すべてを含めた、悪いことも含めた「良い」ものということを創り出すという話なのだと考えます。
「AI」が発達しても、アイデアを生み出すことは、人間に残された人間らしさを最大限発揮できるものだと思います。人が考えたアイデアの「集合知」を活かして、さらに新しいことに取り組んでいくのは新しい試みになると思います。そのようなアイデアのクラウドソーシングをご紹介します。
■Blabo!(ブラボ)
おなじみの商品のお題に対して、皆でアイデアを出していくサイトです。応募の結果次第では、企画会議賞に選ばれて、オリジナル商品をゲットできます。Tポイント利用手続きをしておくと、アイデアを投稿することで、Tポイントがもらえるようになります。閃いたらその閃きが商品の企画会議に貢献できるようなクラウドソーシングを目指しています。
参考URL:https://bla.bo/
■アイデアステーション
「あったらいいな」と思う商品のアイデアを提案し、それが賛同多数だと、提携している中国にあるアイデアステーションの工場で試作品が作られます。そして、プレセールスを行って反響が大きければ、大型店舗での販売などを行うという流れのクラウドソーシングです。売上が上がれば、売上に応じた利益が還元されます。店舗やECサイトなどで販売をします。
参考URL:https://ideastation.jp/
■ココカラ
本当にやりたいアイデアを、インターネット上でシェアして仲間を募るクラウドチーミングサービスです。やりたいことがあるけれど、どうやったらよいか分からない時に、とても有効なサービスだと思います。
参考URL:http://www.cococara.ne.jp/
■発明ラボックス
完全クローズのアイデア募集サイトです。企業の方は登録している課題の解決を求め、個人発明家からヒット商品のアイデアを募集することができます。面白いネタを探しているメディアの方が、それを見つけてコンテンツにすることもできます。特徴的な試みとして、特許などの知的財産を売買するマーケットプレイスがあります。
参考URL:https://www.hatsumeilabox.com/
■40億人のためのビジネスアイデアコンテスト
「社会起業家」のための起業アイデアのコンテストです。発展途上国の社会課題を解決するため、ビジネスアイデアを競い合い、「社会起業家」を輩出することが目的のビジネスコンテストです。
参考URL:https://www.4b-bizcon.com/
■ミルトーク
ネットリサーチ大手のマクロミルが運営しているサイトです。ビジネスの課題や、新しい商品開発の際のアイデアを募集し、登録している会員が答えてくれる形式になります。
参考URL:https://milltalk.jp/
■Skets(スケッツ)
日頃気になっていることを、アンケートや座談会に参加してアイデアを投稿することで、会社や商品の改善に役立てます。そこで良いと思われたアイデアは、あなたの実績として登録され、履歴として残ります。そして、そのアイデアから報酬を得ることができるクラウドソーシングです。
参考URL:https://skets.jp/
■メイカーズワークス
クラウドソーシング大手のクラウドワークスが運営しています。「モノ」づくりのためのアイデア募集サイトです。「企画・デザイン・設計・製造・検証」という、商品のマーケット投入までの一連の流れを、すべてクラウドソーシングでマッチングした個人の力で行うことを目的にしています。これまでのクラウドソーシングは、インターネット上で完結するものでしたが、実際の「モノ」の製造にまで関わるプロセスを、すべてクラウドソーシング上で分業して開発し、マーケット投入までしてしまおうという試みです。
参考URL:https://crowdworks.jp/lp/makers
■サンカク
リクルートが運営する社会人インターンシップのサービスです。会社員として勤めながら、気になる会社の課題解決や商品開発などの会議に参加できるサービスです。通常では出会えないような人脈を獲得できたり、自分の弱みや強みが分かるようになったりします。転職などを考えた場合、どの会社に転職するのがよいのか、自分を振り返る機会にもなります。キャリアの棚卸もしやすいと思います。企業側にとっても、外部からの斬新な意見が新しい企画につながる可能性や、優秀な人材とのコネクションを持つきっかけになる可能性があります。
参考URL:https://sankak.jp/