更新日:2020年03月29日
モバイルハウス(小屋)や、ローコスト住宅と言われる低価格な住宅の話を聞くようになってきました。そのような住環境の未来を考えてみたいと思います。モバイルハウスと言われる小屋や、ローコスト住宅と言われる住宅の将来を考えます。日本は他の国に比べて、住宅への支出金額が特に多いと言われています。それは、持ち家志向に始まるとも言われています。しかし、これから環境の変化が激しくなる時代において、果たしてそこに定住するという持ち家思考が可能かどうか?住居を移動できないということが、様々な問題を発生する可能性があります。働き方改革によって、テレワークの推進が行われる中で、地方でも仕事をできるにもかかわらず、都市に生活することが本当に良いのか、疑問も生まれます。都市に住む場合、持ち家で考えると、住宅の費用よりも土地代など固定資産に対する出費が多くなります。それが、少し郊外であったり、地方であったりに目を向けると、土地はかなり低価格で販売されています。地方都市に行けば、持ち家の建設費であっても、ほとんどが住宅の建設費用にかかっていて、土地代はあまりかかっていないということがざらです。そのことを考えると、テレワークができる環境になれば、住宅の建築費を抑えることができれば、誰でも簡単に自分が所有する住宅が手に入るということです。転勤が多いために借家を借りている人も多いと思います。もしこれから自分所有の家を移動(モビリティ)させることができれば、どこでも安価な土地で費用をかけずにすむことが出来るということです。テレワークで可能な仕事が多くなると、転勤というもの自体も少なくなるかもしれません。借家の数も減っていく可能性もあります。現在、空き家問題という問題もあります。日本でも2033年頃には空き家の数2150万戸になると言われています。なんと全住宅の3戸に1戸が空き家という状況が訪れると予測されています。そのような中で、モバイルハウス(小屋)と言われる移動性がある住宅の販売も行われています。費用的には300万円程度で、広さはワンルームというような価格帯のものがいちばん多く販売されています。これをもっと低価格化にする取り組みも行われています。地方への移住について注意点もあります。地方は都市ほど住宅環境が整備されていません。借家を見つけるのが難しいと言われています。地方の中核都市であれば可能ですが、本当に山村のようなところとなると、借家自体がないということもあり得ます。仮にそこで、土地をとても安価に購入若しくは借りられる場所があれば、先述したモビリティ可能な住宅であれば、住むことが可能になるかもしれません。地方中核都市であっても、土地の費用というのはそれほどかからないので、そのような場所で活用ができるかもしれません。大手メーカーなども、モバイルハウス(小屋)を作り始めました。これはワークライフバランスと、持続可能な生活を考えた「これから」のライフスタイルを考えるためです。
※モバイルハウス(小屋)を建てる際は、床面積が10平方メートルを超えると基本的に確認申請が必要となります。一般的な住宅を建築する際のルールや流れと共に、注意点を掲載しておきます。
■住宅を建てる時に考慮しなければいけないルール。
<都市計画区域(準都市計画区域)/都市計画区域外>
建物を建てるときは、確認申請というものが必要になることが多いのです。この確認申請が不要になる条件を記載していきます。いちばんはじめは「都市計画区域」か「都市計画区域外」かを考えなければいけません「都市計画区域外」の場合は確認申請が不要となります。
< 市街化区域/市街化調整区域/区域区分非設定区域>
都市計画区域の場合は、次に「市街化区域」か「市街化調整区域」か「区域区分非設定区域」かを考えなければいけません。「市街化区域」は住宅が建てられる土地で、必ず用途地域というものの指定があります。「市街化調整区域」というのは、逆に住宅が建てられない土地です。「区域区分非設定区域」というのは。「市街化区域」にも「市街化調整区域」にも属さない土地になります。
<市街化区域(用途地域)>
「市街化区域」には「用途地域」というものの指定があります。その内容は次の項目になります。実質的に下記の用途地域で確認申請が必要となり、それ以外の地域では必要ありませんのでルールに従って確認申請を提出してください
◆第一種低層住居専用地域
◆第二種低層住居専用地域
◆第一種中高層住居専用地域
◆第二種中高層住居専用地域
◆第一種住居地域
◆第二種住居地域
◆準住居地域
◆近隣商業地域
◆商業地域
◆準工業地域
◆工業地域
◆用途地域指定なし(用途地域の指定がなく、かつ「防火地域/準防火地域」でなければ10平方メートルを超えるモバイルハウス(小屋)であっても確認申請が必要はありません。)
◆工業専用地域(工業専用地域には、住宅が唯一建てられません。)
<防火地域/準防火地域>
住宅を建てる際に考慮しなければいけない重要なことに、次のことが挙げられます。それは「防火地域」か「準防火地域」かそれ以外かということです。「防火地域」や「準防火地域」の場合はモバイルハウス(小屋)であっても、それに対応した防火性能が必要です。10平方メートル以内の建物で「防火地域/準防火地域」でなく、「増改築」の場合は、確認申請は必要ありませんが、新築で建てる場合には必要となります。
<家を建てるまでに必要な工程や申請>
■予算決定
■土地の仮決定
■建物のプランの仮決定
■住宅ローン事前審査
■建物のプランを修正
■土地・建物の契約
■住宅ローン本審査
■土地の所有権移転
■工事開始-完成
1.土地の所有権移転
2.確認申請(書類作成から認可が下りるまで約1-2週間)
3.地鎮祭(任意)
4.地盤調査・地盤改良(1週間程度)
5.基礎工事(1週間程度)
6.上棟
7.建物工事・付帯工事
8.完成(上棟から45日-90日程度(工法による))
■引き渡し
低コストハウスの開発は、様々なメーカーが取り組んでいます。本格的な住宅になると難しい部分もありますが、モバイルハウス(小屋)のようなイメージで売られている住宅は面白いのではないかと思います。ノマドワーカーの方などは、移動できるモバイルハウス(小屋)に住んでみるのも面白いと思います。そのような住宅の場合、ソーラー発電で電力をまかない、オフグリッドな生活も可能だと考えます。3Dプリンターで住宅を低コストで建てる取り組みも進められています。
■MUJI HUT
無印良品で有名な良品計画が販売しているタイニーハウスです。無印良品は、様々なライフスタイルに関わる商品を、プライベートブランドとして販売しています。良質な商品を低価格で提供するというコンセプトがあります。その中で、生活する上でいちばん中心となる住宅の「リノベーション」や、モバイルハウス(小屋)の販売も行っています。
<建築可能地域>
「東京都」「千葉県」「神奈川県」「埼玉県」「群馬県」「栃木県」「茨城県」「山梨県」「静岡県」で、「MUJI HUT」ブランドのモバイルハウス(小屋)を購入できるようになりました。
参考URL:https://www.muji.com/jp/mujihut/
■INSPIRATION(インスピレーション)
タイニーハウスのウェブメディアとして有名な、YADOKARI(ヤドカリ) が提供する新しい形の住宅がインスピレーションです。コンテナと同等の広さのワンルームタイプで、トイレ、シャワー、キッチンがついた住宅を提供しています。価格は300万円から450万円と現実的な価格設定になっています。
参考URL:http://inspiration.yadokari.net/
■第三のトコロ「IMAGO」
ログハウスで有名な、BESSが提供するモバイルハウス(小屋)です。ログキットを自分で購入して、建てることができます。セルフビルドが可能です。価格は108万円と、とても低価格なものになっています。住む所と言うよりも、色々なアクティビティを行う中心にするモバイルハウス(小屋)と言えるかも知れません。
参考URL:https://imago.bess.jp/
■簡単組立本格建物「PANELHOUSE」
本格的な建物が作れるパネルハウスは、2×4工法でできているものです。小屋として使うように設計されていますが、上位グレードでは別荘や生活ができる位の構造になっています。セルフビルドを基本的に行いますが、様々なサポートがついているメーカーです。しっかりと対応すれば、10年以上の耐用年数がある商品になります。特徴に、価格がとても的確なことが挙げられます。いちばん大きな商品でも、300万円以内でキットの購入が可能です。
参考URL:http://hokutobussan.com/
■casa cago(カーサカーゴ)
「6畳」をひとつのモジュールとして考え、それを「cago」と呼びその「cago」を組み合わせることによって、様々な人のライフスタイルに合わせた家を作る。というコンセプトで作られたのが「casa cago」です。「1cago」270万円からの価格設定になっています。
参考URL:https://www.casacago.com/
■キューブスタイル
キューブスタイルは、ユニットハウス(モジュールハウス)のメーカーです。店舗から住宅まで生産をしています。モジュールを組み合わせることによって、様々な建物を建てていきます。デザイン性も優れているので、おしゃれなミニマムな生活を送る家として魅力的だと思います。ユニットハウスのため、コストも低めに抑えられています。
参考URL:http://www.cubestyle.co.jp/azumaya.html
■伊豆の無垢材でつくる木の家「amagear」
タイニーハウスの「amagear」を手がけるハウスメーカーです。6畳をひとつのスペースとして考え、天然木でできたとても温かみのあるモバイルハウス(小屋)になります。グランピングに向いているような、モバイルハウス(小屋)です。トレーラーハウスとして、移動が可能なバージョンや、いくつかの小屋を連結させて広いスペースを取ることも可能です。
参考URL: http://amagilog.com/
■ジャパンドームハウス
「発泡ポリスチレン」を素材としたとてもユニークな住宅です。通常の「発泡ポリスチレン」とは違って、発砲を抑えた構造のため、耐火性にも優れています。「発泡ポリスチレン」という、断熱材自体で家を構築しているような形になるので、断熱性能は抜群です。ドーム型の住宅というのも特徴的で、これは風雨や地震に対して、とても強い強度を発揮します。熊本地震の際にも倒壊がありませんでした。
参考URL:http://www.dome-house.jp/index2.html
■Avrame Japan
「Aフレーム」デザインを特徴とした住宅になります。輸入住宅ですがデザイン性にも優れ、価格ももっとも最上位モデルで、22490ユーロというコストパフォーマンスに優れています。三角屋根で構築する「Aフレーム」ですが、耐久性にも優れていて、かつ広いスペースを取れるため、とても効率的な住宅であると考えます。
参考URL:http://avrame.com/