更新日:2020年03月28日
日常食から、非常食まで使えるフリーズドライや缶詰食品のテクノロジーに付いて、考えてみたいと思います。フリーズドライの技術は、とても進歩しています。インスタントラーメンや、インスタントスープのようなものばかりが、フリーズドライ技術だと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。現在では、フリーズドライで魚のすり身も製造されています。昔からある味噌汁のようなフリーズドライ食品以外にも、パスタ、とんかつまでフリーズドライになっています。フリーズドライのとても優れているところは、冷凍保存と違い保存に冷凍庫などの設備が必要ないところです。乾燥しているため常温であれば保存が可能で、かなりの長期間保存できます。フリーズドライは、お湯があれば食べられる状態に戻せるため、実際に食事にする際も簡単で済みます。保存期間が長いということは、それだけ食品ロスを減らせる可能性があります。昨今、話題にあがる食品ロスの問題に向き合うことは、食事に対するコストを本来ならばかなり下げることにつなげられると考えます。過剰な食品ロスによって、食事に対するコストが上がっています。必要なものを必要なだけ、必要最低限求める生活をすれば、食品ロスはかなり減少させられると考えます。フリーズドライの長期保存が可能という特性は、非常食としてもとても魅力的です。その他にも、例えば、フードバンクのような形で、本来の食品では腐ってしまってできなかったセーフティネットを張ることができるのではないでしょうか?また、フリーズドライという特性上、防腐剤を使用する必要ないため、健康に良い食事であることが分かります。自宅で収穫した野菜などをフリーズドライとして保存することができれば、本来その場で食べなければいけなかったものを、貯蔵できることになります。フリーズドライを活用することが出来れば、これまでの生活とあまり変わらない自給自足の生活が出来るようになるかもしれません。現状では、例えば、野菜は通常のものに比べて割高になってしまいます。フリーズドライには苦手な食品分野もあるので、その辺りは補填することが必要です。そのような問題点をうまく改善していければ更に面白い食品になると思います。保存ということでいうと、お米自体はとても保存がきく食物です。玄米の状態にしておけば、かなりの長期間保存ができます。フリーズドライと似たような効果がある主食がお米です。缶詰という製法も長期保存を可能にします。長期保存する上でフリーズドライでは出せないような味を出せるのも缶詰です。こちらも非常食としても有効です。コストは割高になりますが、フリーズドライとともに、常温で保存できる点がメリットです。フリーズドライや缶詰の製法に未来を感じている点は、やはりその長期保存という特性です。そのことによって食料廃棄の問題に一石を投じられるではないかと思います。この大量の食品ロスがなければ、助かる方も大勢いらっしゃるではないかと思います。飢餓に瀕している場所では、助かる命があるのではないかと思います。もっと多くの人に、素晴らしい食事が行き渡る可能性があります。日本では、「世界全体の食料援助量」の倍近くの食品ロスしていると言われます。これを考えると、日本で食品ロスを少なくすることで、多くの人が食事に困らない生活ができるのではないかと考えてしまいます。食品ロスを減らす対策として、ITを活用することも考えられますし、保存技術を向上させるというアプローチで行うこともできます。保存期間が長いということは、それだけ流通コストを抑えられるということにもつながります。時間に対するコスト(保存コスト)さがるので、日常のベースとなる食事としてとてもメリットがあると考えます。食品ロスを極限までなくすということは、「生きるコストを下る」ことにもなりとても大切です。しかし、それが今の生活パターンを大幅に変えないといけないといったような、面倒があってはいけません。面倒なく日常の生活を変えることなく、美味しい食事ができると言う状況を、テクノロジーの進歩を駆使して創っていける未来が、私たちの求めているものに近い食品の未来ではないかと考えています。
保存が可能なフリーズドライ食品。そのメーカーや製品のご紹介と、フリーズドライ食品の未来を考えます。
■フリーズドライすり身
土佐蒲鉾の製品「フリーズドライすり身」は、粉末状にしたすり身に水を加えることによって、本物のすり身のように使える代物です。すり身状態になったものは、蒸したり、揚げたり、焼いたり、煮たり色々な料理に活用することができます。下処理も必要ない粉末状のすり身なので使い勝手が大変よく、簡単にすり身を楽しむことができます。白身の魚であれば色々な魚が、すり身に利用できるのではないかと思います。将来この技術を使って冷凍での保存が難しい場所でも、保存のきくタンパク源として魚を活用することができるのではないかと思います
参考URL:http://www.tosakamaboko.co.jp/
■フリーズドライカツ丼
今では、カツ丼もフリーズドライになっています。フリーズドライ食品で有名な「アマノフーズ」の製品になります。「アマノフーズ」は、フリーズドライのお味噌汁やフリーズドライの鍋など、フリーズドライ製品のパイオニアです。その商品の中でも画期的な商品として、カツ丼がフリーズドライになりました。フリーズドライの「カツの頭」が販売されていて、それをご飯にのせれば本当にカツ丼になります。フリーズドライの良いところは、保存にエネルギーを必要しないところです。冷凍保存であれば、冷凍するための電気が必要になります。誰でも簡単に長期保存できる製法あるところが、メリットです。
参考URL:http://amanofd.jp/
■極食(kyokusyoku)
「極食」は、南極観測隊の「おいしいごはんをたべたい」から始まった北海道発のフリーズドライ食品です。現在では、宇宙食としても使われているとても保存性と味を兼ね備えたフリーズドライ食品となっています。「ポテトサラダ」や「なすの揚げ煮」。「海鮮チリソース」「ホタテの刺身」「鮭の塩麹焼き」「カルビ焼肉」に「チキンカレー」「すき焼き」と言ったフリーズドライでは考えられないかったようなものを、フリーズドライとして食べられます。極地で耐え抜いた食事です。保存が本当に効く製法で作られているので、これからの食と保存の将来を考えても、様々な将来性が考えられる製品ではないかと思います。
参考URL:http://kyokusyoku.co.jp/
■非常食のサバイバルフーズ
株式会社セイエンタプライズが販売元を務める「サバイバルフーズ」は、1978年に発売開始された非常食です。一般的な非常食は長くて5年程度の保存期間ですが、「サバイバルフーズ」は25年間保存が可能となっています。高度なフリーズドライ加工技術を使って、常温以下であれば25年の超長期保存ができます。そのため、非常食の買い替えコストが少なくなるといったメリットもあります。味は大変美味しいと評判です。非常食であるため、簡単に食事が取れるように作られています。野菜シチューやチキンシチュー、海老の雑炊、クラッカーといったものが入ってます。災害の多い日本では、非常食がとても重要です。一度購入してしまえば、ほとんど買い換える必要ない「サバイバルフーズ」はとても重宝すると思います。
参考URL:http://sei-inc.co.jp/
■信頼できる長期保存の非常食「アルパインエア」。
株式会社 エス・アイ・オー・ジャパンは、超長期保存が可能な「アルパインエア」の日本総輸入/総販売元です。「チキン・シチュー&クラッカーセット」「野菜シチュー&クラッカーセット」「野菜ロティーニ・パスタ&クラッカーセット」「パイロット・ブレッドクラッカーセット」といったラインナップで、10年と25年の賞味期限で保存ができる非常食を販売しています。その他にも長期保存可能なパスタも販売しています。
参考URL:http://alpineaire.jp/
■天然フリーズドライ「しばれ芋」
自然のフリーズドライと言われる「しばれ芋」。ボリビアでは「ニューチョ」と言われています。「しばれ芋」はアイヌの人たちが作ってきた保存食で、じゃがいもを北海道の極寒のなか凍らせて、それを乾燥させたものになります。使い切れなかった収穫したジャガイモを、雪の中に埋もれさせて、その雪の中で芋が凍って醗酵します。そして、春に雪がなくなったら、その醗酵したじゃがいもを皮をむいて潰し、水を張った桶で何度も洗うという製法で作ります。古来から使われる製法ですが、自然の力を使ったフリーズドライと言えるのではないかと思います。
■エアードライ
「エアドライ」は、フリーズドライと違って、野菜などを温風を当てることによって、水分を飛ばしていく方法です。水分を飛ばすため、形が小さくなります。ちなみに、フリーズドライは圧力をかけることによって、昇華という固体から気体にして、水分を一気に飛ばしてしまいます。そのため、野菜などの嵩はあまり変わりません。エアードライでも保存がきくので、保存食には向いている方法です。エアードライの場合、フリーズドライより戻すための時間がかかるといったデメリットがありますが、お湯で戻すと本来の食感に近くなります。