イノベーションの未来「オープンイノベーション」の取り組みをご紹介。

更新日:2020年04月05日

オープンイノベーションとは?

最近、耳にするようになってきた「オープンイノベーション」について考えてみたいと思います。オープンイノベーションとは、自社だけでイノベーションを起こすのではなく、他社や大学、自治体などの公共団体といった具合に、得意分野が違ったところと協力をして、アイデアやサービスのノウハウなどのナレッジを組み合わせて、革新的なビジネスモデル、製品・サービスを開発したり、自治体などの場合は、行政改革やソーシャルイノベーションなどを起こすといったオープンな取り組みを言います。社会や経済の環境が、より高度で複雑になっている現在において、全てのビジネスプロセスを内製化して、アイデアのシーズ(種)から、企画、研究開発、製造、販路拡大までを、一括して自社で行うことは、ビジネススピード的にもニーズ的にも難しくなってきています。プロダクトライフサイクルの短期化や、顧客ニーズの多様化によって、一社で対応できる範囲でやれることは少なくなってきました。そこを、複数の会社が協力することで、事業推進の効率化でスピードアップが図ったり、多様化する顧客ニーズを満たした商品の開発をしたりすることが可能になります。他にも、外部のナレッジの取得や技術の獲得が行えますし、自社の強みを明確にすることが大切になってくるので、コアコンピタンスを外部に向けて発信するとことができます。そのため、効率的な開発が行われ、短期間で低コストなものが作れるといった可能性が広がります。このようなビジネスプロセスの変革の中、自社に足りないナレッジを外部に求め、提携するやり方が、スピード感をもって、新しく商品をサービスインさせるために効果的だと考えられました。それが、オープンイノベーションです。外部との関係をオープンにしておくことで、アイデアといったナレッジの情報を、タイムリーにやり取りできる環境を作る方法です。オープンイノベーションは、社内システム、人事制度、CSRに至るまで、革新的な取り組みやサービスを包括しています。決して、技術分野だけのことを指している訳ではありません。色々な分野で、社内社外といった障壁を下げて、情報をシームレスでインタラクティブに、やりとりができるようにすることを指します。例えば、オープンイノベーションのやり方として、産学連携をするのであれば、大学などが研究開発を行い見つけ出した新技術を色々な企業に紹介をして、この技術を使って新しいサービスや商品を作ると言ったやり方で、広く利用してもらうやり方があります。その他にも、自治体しか持ってない公共のデータなどを活用して、それを民間などに提供することで、新しい素材やサービスの開発などに役立てて、イノベーションを起こすというやり方もあります。IT業界であれば、ハッカソンと呼ばれる他の会社や募集してきたエンジニアと共に勉強会を行い、そこで新しいサービスを作ると言う形もあります。IT業界は、これまでオープンソースといった形で開発を行ってきました。そのような開発形態からできてきたものです。場所という視点で見ると、フリーランス同士が「コワーキングスペース」で仕事をし、各自独立した仕事を行っているが、色々なプロジェクト毎に結びつきを作り、チーム化して新しいイノベーティブなサービスを作るという、場所を拠点とした方法もあります。これは、プロジェクトごとに人が集まり、プロジェクトが終われば解散するという、組織の作り方を行うための場所になります。このような取り組みは、ソーシャルネットワーク上でも行われています。特に、個人事業主や中小企業であれば、ビジネス系のソーシャルネットワークを利用して、そのようなプロジェクトベースの仕事のやり方を行っています。このようなオープンな働き方は、「働き方改革」「ワークライフバランス」といった考え方を支える上で重要な要素になってきます。ノマドのような生活を思考する人にも向いていると思います。組織形態としては、ティール組織といわれているものです。色々な場所で色々な人が、プロジェクト方式で結びつくことによって、場所にとらわれない仕事のやり方であったり、自分本来の目的を達成することであったりという働き方にマッチした方法と言えます。会社のデスクの上だけでイノベーションが生まれるかと言うと、そうではないと考えます。例えば、電車に乗っている時であるのか、外で読書をしている時であるのか分かりませんが、人によってアイデアが生まれる瞬間というのは、いつどこで起こるか分かりません。それを会社の中だけで、行おうとするのは逆に非効率ではないかと思います。そういうところを改善するイノベーションのやり方だと思います。オープンイノベーションを行う際の懸念点としては、自社のノウハウや技術などが他社に流出してしまうことがあげられます。また、これまで保持していた自社の商品開発力が、外部に任せすぎることによって衰退してしまうという問題の発生も考えられます。他には、お金の問題です。ビジネスが成功した際に、どのような収益の配分するかということを細かく決めなければなりません。

オープンイノベーションサービス一覧をご紹介します。

オープンイノベーションのサービスは、国内の企業を中心に、自社にないリソース同士を持ち合わせてマッチングを行うサービスです。そのためのプラットフォームがサービスを開始しています。これからは、マッチングする会社のエリアもグローバルになっていきます。現在は大企業とベンチャー企業のマッチングが多いようですが、小さな会社同士のオープンイノベーションが行えるような世界にもなっていくのではないかと考えられます。

■Linkers(リンカーズ)
「ものづくり系マッチングプラットフォーム」のリンカーズです。産業情報を全国から網羅的に集め、そこからクライアント企業の秘密は厳守して、候補企業に「検索/アプローチ」します。そして、最終企業の選定などまでサポートするという流れになっています。対応しているもの作りのジャンルとしては、自動車、機械、エレクトロニクス、環境エネルギー、繊維・素材、医療器具、建設建材、食料・飲料、バイオ、通信、光学機器、加工技術、測定・検査、IT・システムです。
参考URL:https://linkers.net/

■creww(クルー)
スタートアップと、事業会社がコラボレーションするオープンイノベーションのプラットフォームです。スタートアップは協業のアイデアを事業会社に対して提案し、ユニークな商品を共に作ります。事業会社は顧客基盤や資金、経営リソースを開放して、それを円滑に進めます。事業会社は、3800社のスタートアップに対して、コミュニケーションをとることができ、新規事業の創出をおこなります。事業会社とスタートアップの間に「creww(クルー)」が入り、適切なサポートを行います。
参考URL:https://creww.me/ja

■eiicon
パーソルキャリアが運営するオープンイノベーションのプラットフォームです。「全国各地」のあらゆる業界の企業、大学、地方自治体などの提携パートナーを、無料で探すことが出来ます。「PR」「パートナー探索」「コンタクト」の機能が無料で提供され、更に提携に至っても費用が掛かりません。人材会社ならではの人材のサポートを受けることもできます。すでに登録企業数も5000社を超えています。
参考URL:https://eiicon.net/

■L-RAD(エルラド)
様々な研究機関と提携して、研究者の方が持つ未活用アイデアを集積し、産業視点で企業が活用できることを目指した「研究者×企業」のオープンイノベーション・プラットフォームです。
参考URL:https://l-rad.net/

■Wemake
有名企業の商品開発にチームになって、参加できる仕組みです。参加者の方から複数の方は選ばれることが多く、総額300万円程度から1千万円近くの報酬が受け取れます。
参考URL:https://www.wemake.jp/

■アスタミューゼ株式会社
新規事業を起こすに際にして、不足している技術や人材の情報を提供し、イノベーションを起こさせるオープンイノベーションのコンサルティングを行っています。多くの費用をかけて研究した、社会の「知恵」や「技術」が埋もれてしまっていることは往々にしてあります。それを公開することによって、情報を必要としている企業とマッチングを行います。しかし、技術情報をを渡しただけでは、その技術が事業になるか分かりません。そのために必要な人やお金、設備を含めたトータルのサポートを行います。オープンイノベーションのメディアなどを通して、有償無償の情報提供を行って、アライアンス先を探すところから関わります。マッチングした会社同士が、新規事業としてスタートするお手伝いも行います。その新規事業を、クラウドファンディングを活用したり、マーケティングリサーチをおこなったりして、「0」から「1」につなげることを図ります。更には「1」を「100」に伸ばすために、「M&A」の助言なども行うといったコンサルティングをしています。オープンイノベーションのメディアを使って、必要な人材へのアプローチも可能です。オープンイノベーションのメディアに対応した形に広告を出すことによって、ピンポイントの人材の募集を可能にしています。これから成長が見込める事業領域として次のことをあげられています。「エネルギー領域」「医療・健康領域」「モビリティ領域」「航空宇宙・海洋開発領域」「食料・水・土壌・資源領域」「農業・食品工業領域」「建築・土木領域」「ネット・サービス領域」「情報通信領域」「生活・文化の拡張領域」「エレクトロニクス領域」。
参考URL:https://astamuse.com/