空気中から水を飲む?水問題を解決する水を作る看板や、飲料水製造サーバー、水筒などをご覧下さい。

更新日:2020年03月27日

人にとっていちばん大切な水に関わる問題、水を考えます

人にとっていちばん大切なもののひとつと言われている水。水に関わる問題を考えようと思います。ます。食料問題以上に、これから深刻な問題になると言われているのが、水の問題です。世界では、安全なきれいな水を飲むことができずに、病気や感染症にかかって、毎年180万人の子ども達が命を落としています。水が確保できなければ、農業の安定的な供給も滞ります。人は体の70%近くが水分でできてると言われています。水の問題は人にとって根源的な問題です。世界では10億人近くの人が、安全に管理されたきれいな水にアクセスできない状況が続いています。このアクセスというのはWHO(世界保健機構)が定義した用語で、1Km以内に一人一日20リットルの水を確保できる状況かといったことが、条件となっています。さらに問題ないのが、水を安定的に供給できないと、水を確保するために時間を浪費することになり、就学であったり、就労であったりといったその他の経済的な損失を発生させます。同時に下水の問題も発生します。下水をきれいにしておかないと、飲み水に影響をしてしまいます。下水が汚染をしてしまい、きれいな上水を確保できないということになります。トイレの整備が必要な理由も同じ理由です。地球上の水資源は「97.5%」が海水で、それ以外は氷河であったり、地下深くの地下水などになっています。私たちが実際に生活に利用できる水は、水全体の「0.01%」と言われています。海水の淡水化事業などもありますが、内陸の国ではそれもなかなか難しい状況です。ちなみに、1人当たり1日に必要とされる飲料水の量は、「約2.5リットル」。先進国の生活用水の中の1%にも満たないと言われています。多くの水は、風呂が40%、トイレが22%、炊事が17%、洗濯が15%使われています。家庭以外の事も考えてみましょう。日本の水資源の利用は、1日1人当たり生活用水が「320リットル」、工業用水が「240リットル」、農業用水が「1160リットル」となります。工業用水は殺菌処理が必要ないので、地下水が使われていることが多い形です。80%程度がリサイクルして使われています。農業用水は、河川の水やダムから直接取水、利用が行われて河川に戻されるので、その後、下流の生活用水や工業用水として利用されます。生活用水に使う、きれいな水の供給源というと、井戸水、雨水、河川の水を浄化して飲み水に変える方法が一般的です。海水を淡水化して、飲み水に変えるという方法をとっている地域もあります。井戸水や雨水を浄化して飲む方法は、比較的低コストで、大規模な設備が必要ありません。しかし、河川の水を浄化して飲むとなった場合、大規模な浄水場やダムの建設などが必要になりますし、海水を淡水化して飲み水に変える方法を取る場合は、こちらも大規模な海水の淡水化装置のプラントを設置するといった莫大な資本が必要になります。そのため多くの途上国では、前者の井戸水や雨水を浄化して飲み水を確保していることが多いです。きれいな水を作る仕組みが設備を含めて小規模になれば、飲み水の問題は飛躍的に解決に向かうのではないかと思います。オフグリッドな生活をする上でも使えるかもしれないものが、空気中から飲み水を確保するという方法です。空気は地球上のどこでもアクセスすることができるものです。湿度が高いところでないと、空気中から取り出せる水の量は少なくなりますが、1日に必要な飲料水の量、2.5リットルの確保は可能だと考えられています。仕組みはいたってシンプルで、暑い日にグラスにつく水滴を集める作業に似ています。空気中に漂う湿度を低下させて、そこに水を発生させ、それをろ過して飲料水にするという仕組みです。空気中から水を確保すると、比較的綺麗な状態の水を確保できるため、高度な浄水機能などが必要ありません。衛生面でも優位性があります。これらの機能を使って、自産自消のような水の確保を行うことが、将来的に考えられるのではないかと思います。

水問題を解決する秘策。空気中の水を活用する方法。

世界では衛生的な水を飲むことが出来ずに、多くの命が失われている地域があります。先進国では、大規模な浄水施設があるため、衛生的な水が飲めますが、そのような施設がないところはどうすればよいか?新しいテクノロジーを紹介しながら、少し違った切り口で考えてみたいと思います。

■空気中から毎日100リットルの飲料水を作るハイテク看板。
ペルーの首都リマは砂漠地帯にあるため、降水量が少なく、飲料水の確保が難しい都市といえます。リマは貧困層の人を多く抱える都市でもあります。そのため、そのような住民の方たちは、衛生的ではない井戸水を飲料水として使っていて、生命の危機にさらされています。リマの砂漠の特徴として、雨は降らないけれども湿度が98%いう高い湿度の気候という特徴があります。その湿度を使って、飲料水を作れないかと考えたのが、飲料水確保のための看板です。とても大きなこの看板には、看板の中を通った空気中の水分を集め、凝縮して冷凍する装置が組み込まれています。夏になると、ちょうど冷たいコップの周りに結露がつくことと似ている仕組みです。そのように冷却されて水となった水が、看板の下にある蛇口から出てきます。空気中から取り出した水なので、綺麗で安全な水というわけです。更に、この看板が作り出す水の量が、1日に「100リットル」程度の水を作れるということで、この地域の何百世帯もの家族が消費する飲料水を作ります。看板という発想もとても興味深く、スポンサー企業が広告を掲載することができるので、その費用で建設費用をまかなういうアイデアが考えられています。

■空気中から飲料水を製造するウォーターサーバー。
エコロブルーと言うウォーターサーバーがあります。これは空気中から飲料水を生成するウォーターサーバーで、通常のウォーターサーバーの用に、水の入ったボトルを交換する必要もなく、電源さえあれば利用ができるウォーターサーバーです。水素水の生成や、空気清浄機としての役割などもあります。高さが111cm、幅45cm、奥行43cmで重量が49Kgというものです。水の代金は全くかからないで、電気のみで水が生成できます。1日あたりの水の生成量は、湿度30%で7.5リットル。湿度が90%あれば、33リットルの水を作ることができます。電源の確保が必要ですが、災害の時などに力を発揮すると思います。本体価格が、395000円から495000円と高価なウォーターサーバーとなりますが、これからの水不足のことであったり、災害のことであったりを考えると、一考する価値のあるウォーターサーバーではないかと思います。この技術が、色々なところで活用されることも期待されます。
参考URL:http://www.ecoloblue.co.jp/

■空気中から飲料水を作り出す魔法の水筒。
空気中から飲料水を取り出す水筒「Fontus」をご紹介します。これは、1時間に「0.5リットル」の水を水筒に作り出す魔法の水筒です。原理は空気中の湿気を取り出し、濾過してボトルに貯めていくというものです。そのための動力として、ソーラーパネルを利用して電気を発生させます。アウトドアや旅行などで活躍することが想定されています。しかし、この水筒は100ドルを切ることを目標にしていますので、1時間に「0.5リットル」の水が確保できるようであれば、その価格帯もとても魅力的だと思います。途上国などで、きれいな水を確保できない場所では、画期的な製品になる可能性も秘めていると思います。このようにシンプルなシステムであっても、きれいな水をソーラーパネルを利用して作り出せると、水の自産自消が可能になり、途上国における様々な水の問題も解決できる可能性があるのではないかと思います。更なる低価格化や水をつくる能力の向上などが期待されます。
参考URL:https://bit.ly/2HCmN2l