服はデータをダウンロードして3Dプリンターで作る時代になるのか?

更新日:2020年03月27日

アパレルの未来はどんな変化が起こるか?

人が生きていくうえで気っても切り離せない、衣料品(アパレル)の未来はどうなっていくのでしょうか?アパレル産業やそれを取り巻く環境は、今後どのようになっていくのかを考えてみたいと思います。服と言うと、衣食住の中で一番リサイクルが進んでいて、発展途上国などにも物資が行き渡っている産業かもしれません。その反面、食品のように過剰に生産されすぎている面もあります。ただ、腐ることはないので、リサイクルが進んでいる業界です。そのようなリサイクルを活用することで、資源の無駄をなくすことに貢献ができます。ITを利用したそのようなサービスも数多く出ていると思います。最近のトレンドとして、洋服のシェアリングサービスも多くなってきています。ブランド品であったり、時計であったり、靴などで、外出時に着るようなものをコーディネートして送ってくれるインターネットサービスも多くなってきました。廉価で購入が可能なブランドもたくさんあるため、普段使いと外出時とで使い分けるをするという利用の仕方は効率的ではないかと思います。外出時にはレンタルサービスの服を利用して、普段使いの時は、高価なものは必要ないので、コストを下げた服で生活するといった具合です。その他にも、インターネットのサービスでリーリスされているものの中で、例えば、ブラウザ上でシャツの襟や色など組み合わせを購入者決められて、カスタムメイドで製品にして購入ができるというようなサービスもあります。Zazzleに代表されるように、Tシャツやグッズ製作などは、昔からあるカスタムメイドのサービスです。それらは、インターネットとの親和性が高く、オリジナリティが出せるのは実証されています。しかし、その場合Tシャツなどに印刷するデザインでオリジナリティをだすというもので、素材そのものから服自体のデザインを行うというものではありませんでした。これからは、素材そのもののからデザインをするカスタムメイドが展開されていくものと思います。もう少し先の話になりますが、これまでのようなデザインだけのカスタムメイドではなく、繊維素材を3Dプリンターで出力できるようにするという試みが行われています。色々な繊維素材を作れるような3Dプリンターが開発されれば、服のデータをダウンロードしてきて、それを自宅の3Dプリンターで印刷をして、服を作るといったオリジナリティにあふれる服が製作できます。逆に、デザイナーは服のデザインだけをすれば、素材などは後で自由に3Dプリンターが出力してくれることになります。3Dプリンター自体は、石膏やプラスチック、ガラス、アルミ、プラチナなど何十種類もの素材に対応できるように進化しています。ナイロンの出力も、今はできるようになってきているので、アパレルの素材として使えるものを3 D プリントするというのは、近い将来できるようになる技術と考えられてます。最新のベンチャー企業では、そのような3Dプリンターを開発する取り組みが行われています。現在でも実際に工数が必要にはなりますが、家庭用の3Dプリンターを駆使して、服に近い素材を選択し、それを細かいパーツごとに3Dプリントして組み立てる事によって、洋服を製作することは可能になってきています。そのような事例を考えると、ダウンロードしてその場で服が製作できるという未来も遠くないことが分かります。一方で、服を収納するということをアウトソーシングする事業も、盛んになってきています。倉庫業を扱う企業では、レンタルスペースの一環として、自宅で保管しきれない服を、とても安価で保管するサービスを展開しています。その際に興味深いのが、出し入れを簡単にする仕組みを構築しているということです。やり取りは郵送で行いますが、到着と同時にその服を撮影をしてインターネット上で、自分のクローゼットのように管理できる機能を持たせていたりもしています。これによって、無駄な収納スペースをとらないミニマルな生活をサポートすることができます。このように製作する側や、収納する側を考えた生活にとって重要な衣食住の「衣」の部分のイノベーションが進展しています。近い将来、環境負荷なく低コストで、オーダーメイドのオリジナリティの高い自分に合った服(アパレル)を着ることができるようになるのではないでしょうか?その他にも注目しているサービスに、クリーニングの代行サービスがあります。宅配で選択をして欲しい服を郵送して、それをクリーニングして返信してくれるサービスです。これまでのようにクリーニング店に持って行く手間が省けるサービスです。

データをダウンロードして、3Dプリンタで服を作る時代の到来?アパレル業界の未来を担うテクノロジーを一挙公開。

アパレルに関連するテクノロジーも進化しています。自分で服のデザインデータを作成して、そのデータをダウンロードして、3Dプリンターを使って服を作る時代も近くまで来ています。アパレル業界の未来に関する情報をまとめてみました。

■Electroloom
縫い目のない服を作ることができる3Dプリンターです。3Dプリンターで、データから服の情報を布に出力して形にします。この3Dプリンターがあれば、自由な服をデータから作ることができます。ナノサイズの繊維を含んでいる粒子を、スプレー状に重ねて生地を作っていく3Dプリントです。まだ時間がかかりますが、将来的にはこのようなプリンターを使って、個人個人が服を作る時代が来るのではないかと思います。プチプラといってとても廃棄の多いアパレル業界。このように一点ものの服を作れるようになれば、そのような問題も解決する可能性があります。データで服を作れるよになると、遠隔地であっても、どこでも服を作ることができるというメリットもあります。
出典:http://3d-printer.marketing-be.com/archives/2946

■3D PRINTED JACKET
実際に着ることができる服を3Dプリンターで作ろうとすると、現状では各パーツごとに3Dプリントをして、それを組み合わせて作ることになります。素材的にも、一般的に使われる素材を生地として出力する3Dプリンターはごくわずかです。そのため製作に膨大な時間がかかります。それらをもっと一般的に使われている生地を出力できる3Dプリンターが開発され、安価に出力できるようになれば、本当に3Dプリンターの中で、好きな服を作れる時代が訪れると考えます。実際にそのような3Dプリンターで使うことが可能なデータや、ダウンロードして3Dプリントする服もサイトで公開されています。
出典:https://danitpeleg.com/product/create-your-own-3d-printed-jacket/

■ウェアラブル端末
ウェアラブル端末がどんどんなくなっていくのではないかという未来を、想定している意見もみられます。その一端として、服そのものに伝導性の糸を入れて服自体をデバイスにしてしまうという取り組みが行われています。皮膚自体にタトゥーのように金箔を貼り付けて、それをデバイスとして使うという発想もあります。ウエラブル端末のように端末をつけているという形ではなく、今まで通りの服の着こなしの中に、デバイスが入っているという形が、未来のウェアブルデバイスになるのではないかと考えられています。
出典:https://ginzamag.com/fashion/futurefashion02/

■OpenKnit(ニット加工と相性がよい)
既にある技術として、ニットを加工する3Dプリンターがあります。これまでもニット生地を出力するものがありましたので、それを使った実用的なサービスとなります。1時間程度で服として着られるものもでてきているので、実用面を考えるといちばん現実的なサービスかもしれません。
出典:http://www.3d-caddata.com/news/openknit

■AIコーディネート
服の製作に関わることだけではなく、コーディネートもテクノロジーによって進化すると考えられています。AIに服のコーディネートを行う試みが多数行われています。AIにインプットされた服の中から、その人に合ったコーディネートを提案するというサービスです。更には、服のデザイン自体も、これからAIに行わせるといった技術開発も進められています。製作する部分以外にも多くのテクノロジーの発達が進んでいます。
出典:http://www.s-ovation.jp/

■ZOZO
スタートトゥデイは、「ZOZOSUIT」という体型データを正確に寸法できるサービスを使って、付属する様々なサービスを考えています。その「ZOZOSUIT」の目的といわれているものを、掲載しておければと思います。下記の10項目が「ZOZOSUIT」によってもたらされるメリットと考えられています。
1. 個人のサイズに最適化された服作り
2. アパレル競合企業をデータで支援
3. VR試着
4. 化粧品業界への参入
5. 3Dプリンターを使った服のDIY
6. アート・音楽の領域に進出
7. スポーツウェアの開発
8. ヘルスケアサービスの開発
9. 体型データに合わせた広告配信
10. メディアコンテンツのパーソナライゼーション
出典:https://amp.review/2017/12/25/zozosuit/
※採寸データを蓄積できるメリット。